帯解寺・石上神宮・長岳寺・大神神社 めぐり
この記事では、帯解寺から石上神宮、長岳寺、そして大神神社をめぐる桜井線沿線大和路御朱印めぐりの旅を紹介しています。
帯解寺
帯解寺は、JR桜井線の帯解駅から徒歩5分の奈良市今市町にある安産祈願の寺として知られる華厳宗の寺院です。
山号は子安山、本尊は地蔵菩薩になります。
寺の縁起によりますと、弘法大師の師である勤操大徳の開基による巖渕千坊の一院で、霊松庵が始まりになるそうです。
そして、今から約1100年前、文徳天皇の御妃染殿皇后(藤原明子)が永い間お子様が生まれなかった折、春日明神のお
告げによって、帯解子安地蔵菩薩にお祈りされたところ、まもなく御懐妊、惟仁親王(のちの清和天皇)を御安産され
たことに文徳天皇がお喜びになり、天安二年(858)、無事帯が解けた寺、帯解寺(おびとけでら)と寺号を授けられ
たそうです。以来、安産・子授け祈願の寺として広く篤い信仰を集めるようになったそうです。
本堂には、重要文化財に指定されている本尊の木造地蔵菩薩半跏像が安置されています。
いただいた御朱印には、「帯解子安地蔵尊」と書かれていました。
帯解寺の境内には、小野小町を祀る「小町の宮」(写真下)があります。帯解寺は奈良盆地を南北に貫いた古代
の幹線「上街道」のそばにあり、小野小町は六歌仙」の1人、僧正遍昭に会うため、現在の天理市にあった石上寺
までこの街道を往復したと伝えられ、帯解寺にも立ち寄ったと伝わっています。
帯解寺では、毎年4月24日に「小野小町忌法要」が営まれています。
石上神宮
石上神宮(いそのかみじんぐう)は、天理駅から徒歩30分ほどの奈良県天理市にある寺院です。 主祭神は、
布都御魂剣(ふつのみたまのつるぎ)に宿る神霊、布都御魂大神 (ふつのみたまのおおかみ)になります。
石上神宮は古事記や日本書紀に名を残す日本最古の神社の一つで、物部氏の総氏神として古代から信仰され
ていたそうで、布都御魂大神は第10代崇神天皇七年に現地に祀られるようになったそうです。
楼門は、重要文化財に指定されています。
拝殿は、平安時代とも鎌倉時代初期の建立ともいわれますが、いずれにしても拝殿としては現存する日本最古の
ものであり、国宝に指定されています。
出雲建雄神を祀る境内摂社の一つ出雲建雄神社は、正安二年(1300)頃の建立で、国宝に指定されています。
石上神宮の神様の使いは鶏、境内に鶏が放し飼いされていて、いたるところで鶏を目にすることができます。
大和神社
大和神社(おおやまとじんじゃ)は、奈良県天理市新泉町にある神社です。主祭神は、日本(大和)大国魂大神
になります。 社の案内によりますと、この神は大和平野に鎮座する神々の主神であり、日本の大地主大神
(おおことぬしのおおかみ)になるそうです。
社の由緒によりますと、創建は、崇神天皇6年になるようです。崇神天皇の御代、国内に疫病が蔓延したため、
宮中に祀られていた天照大神と日本大国魂大神の神威を畏れ二神を宮中から外に出し祀ることにし、日本大国
魂大神を皇女渟名城入姫(ぬなきいりひめ)に祀らせたのが始まりになるようです。
下の写真は、拝殿になります。
戦艦大和には、大和神社の分霊が祀られていたといわれ、境内には戦艦大和ゆかりの碑が建っています。
長岳寺
長岳寺(ちょうがくじ)は、奈良県天理市柳本町にある高野山真言宗の寺院です。山号は釜の口山、本尊は
阿弥陀三尊(阿弥陀如来)になります。 創建は天長元年(824)、淳和天皇の勅願により弘法大師空海が
大和神社の神宮寺として開いた寺だそうです。
大門(写真上)をくぐり両側に生垣が続く玉砂利の参道を進むと、我が国最古といわれる美しい鐘楼門
(重要文化財)があります。
本堂は、天明三年(1783)に再建された建物で、阿弥陀三尊像と多聞天・増長天立像を安置しています。
本堂前に広がる庭は浄土式庭園(写真下)になっています。
境内のはずれには、鎌倉時代に刻まれたという弥勒菩薩の大石棺仏が建っています。
いただいた御朱印には、「無量光」と書かれていました。
無量光とは、本尊阿弥陀如来が発する無限の恵みをもたらす光明ということになるかと思います。
大神神社
大神神社(おおみわじんじゃ)は、奈良県桜井市三輪にある大和の国一宮に列せられる神社です。 桜井駅で、
JR桜井線に乗り換え、次の駅の三輪駅で下車、駅近くの踏切を渡るとすぐに二の鳥居が見えてきます。
境内まで、5分もかからず到着です。
燈廊が並ぶ静かな趣の参道を行くと左手に夫婦岩、さらに進むと拝殿です。
社の由緒によりますと、大神神社は遠い神代の昔、大国主神が、 自らの幸魂(さきみたま)・奇魂(くしみたま)
を三輪山にお鎮めになり、大物主神の名をもってお祀りされたのが当神社のはじまりだそうです。
本殿 は設けておらず、拝殿の奥にある三ツ鳥居を通して三輪山(写真下)を拝するという、原始神道の姿を残して
いる神社で、日本最古の神社と言われています。
大三輪之神(おおみわのかみ)として世に知られ、大神は“おおみわ”と読まれ、神様の中の大神様 として
尊崇されているそうです。