明月院、長谷寺、成就院、東慶寺、鎌倉宮 鎌倉あじさい寺 御朱印めぐり
6月は、鎌倉が一年の内で最も混雑する時期と言われます。古都の山あいの古刹に、しっとりと
濡れたあじさい、やはり絵になる鎌倉の6月と思います。
今回は6月中旬、鎌倉あじさいめぐりには外せない明月院、長谷寺、成就院の鎌倉あじさい三ヶ寺
と共に、山あじさい散歩道のある鎌倉宮そして東慶寺の5か所に御朱印めぐりに出かけてきました。
明月院
明月院は、北鎌倉の駅から建長寺方向に10分ほど歩いた所にあります。
線路沿いの道を左に折れ、北鎌倉の風情を感じる道を途中、葉祥明氏の美術館を左に見ながら
行くと間もなく明月院に到着です。
明月院は、臨済宗建長寺派の寺院で、山号は福源山、本尊は聖観世音菩薩になります。
応永元年(1394)、関東管領であった上杉憲方が密室守厳を開山として、創建した寺になります。
方丈(写真上)でいただいた御朱印には、本尊の“聖観世音菩薩”と書かれています。
明月院は、別名“あじさい寺”とも呼ばれ、毎年6月になりますと、参道は紫陽花を一目見ようと
する観光客で長蛇の列が出来る寺です。
下の写真は、鎌倉石が敷き詰められた山門、方丈に通じる参道に茂るあじさいの写真です。
明月院のあじさいは、“明月院ブルー”とも呼ばれる鮮やかな空色の『ヒメアジサイ』(写真上)が中心ですが、
中には、下の写真のようなあじさいも見ることが出来ます。
長谷寺
長谷寺は、江ノ電の長谷駅から3分程度の所にある浄土宗系の寺院で、『長谷観音』として知られています。
長谷寺は、聖武天皇の時代、天平8年(736)に開かれた鎌倉有数の古刹です。
本尊の十一面観音菩薩像は、像高9.18メートルにも及び、日本最大級の木彫り像です。下の写真は、十一面観音が安置されている本堂です。
こちらの縁起によりますと、当山の十一面観音菩薩像は、奈良の長谷寺の開山である徳道上人
の本願に基づき、二人の仏師によって楠の巨木から造形された2体の観音像の一つという言い
伝えがあるそうです。
一体は奈良の長谷寺に、残る一体は、有縁の地における衆生済度の請願を込め海中に奉じられたそうです。
それが相模の国の洋上に顕われ、鎌倉長谷寺の開創の礎になったそうです。
いただいた御朱印には、“十一面大悲殿”と書かれています。十一面観世音菩薩様がいらっしゃる
お堂ということになると思います。
あじさいは、上境内の大黒天を祀る大黒堂の横から『あじさいの径(こみち)』と呼ばれる
眺望散策路一帯に咲いています。
あじさいの種類はおよそ40種、2,500株にのぼるあじさいが今を盛りに咲き誇っていました。
下の写真が、あじさいの径一体のあじさいになります。
成就院
成就院は、江ノ電極楽寺駅から徒歩5分ほどの所にある真言宗大覚寺派の寺院です。
山号は普明山、寺号は法立寺、本尊は不動明王になります。
創建は、承久元年(1219)、三代執権北条泰時により、本尊に“不動明王”を祀り北条氏の発展を
祈った寺と言われています。
いただいた御朱印にも、本尊である“不動明王”と書かれています。
成就院も“あじさいの寺”と呼ばれています。
眼下に由比ヶ浜を望む108段の階段の両側に、般若心経の文字数と同じ262株のあじさいが、
元寇の役の供養のために植えられているそうです。
毎年6月のあじさいのピーク時には、最寄りの極楽寺の駅まであじさい見物の観光客の行列が続く
ほどのにぎわいだそうです。
下の写真が、成就院の参道に咲くあじさいです。
鎌倉宮
鎌倉宮は、鶴岡八幡宮から東へ徒歩20分程度の所にある神社です。
鎌倉幕府を倒し建武の中興(1333)を実現した後醍醐天皇の皇子“護良親王”を祭神として祀る神社です。
護良親王は、一緒に鎌倉幕府を倒した足利尊氏との対立により捕えられ、現在の鎌倉宮の境内にあった
東光寺に幽閉され、建武2年(1335)足利尊氏の弟である直義の命で殺害されています。
本殿の裏には、9か月もの長い間、閉じ込められていたという『土牢』が残っています。
神社の創建は明治2年(1869)、明治天皇が建武の中興に尽力した親王の功を賛え、東光寺の跡地に、
護良親王を祀る神社の造営を命じられ、『鎌倉宮』の社号が下賜されたそうです。
拝殿横から本殿の裏側を回る小道は、“神苑 山あじさい散歩道”と称され、“額あじさい”など小粒な花
を咲かす “山あじさい”が可憐な花を咲かせていました。
東慶寺
東慶寺は、横須賀線の北鎌倉駅から徒歩三分の所にある寺院です。6月は、アジサイが茂る山門が迎えてくれます。
北条時宗夫人山尼により、1285年に開山された臨済宗円覚寺派のお寺です。
山号は、松岡山、本尊は釈迦如来になります。下の写真は、本堂になります。
明治に至るまで、男子禁制の尼寺で、女性から離婚請求のできなかった封建時代、駆け込み寺、
縁切り寺として、多くの女性を救ったことで有名なお寺です。
そういえば、受付や松が岡宝蔵、売店の方などすべて女性の方でしたが、その名残かもしれません。
この宝蔵には、聖観音立像の他に、多くの離縁状など縁切関係の古文書が収蔵されており、縁切寺の
歴史を伝えています。
宝蔵でいただいた御朱印には、鎌倉観世音第三十二番“聖観世音菩薩”と書かれています。
これは、宝蔵に安置されている重要文化財“聖観世音菩薩立像”を表しています。
“東慶寺花暦”によりますと、のどかな雰囲気の漂う境内には四季の花が咲き、北鎌倉の人気スポット
になっているそうです。訪れたのが6月中旬、菖蒲が終わりを迎え、アジサイが見ごろを迎えていました。
下の写真は、菖蒲畑前のアジサイです。
東慶寺には、株数は少なめですが、様々な種類のアジサイが植えられています。