平泉 中尊寺 御朱印めぐり
世界文化遺産の一つである中尊寺は、奥州藤原氏のゆかりの寺として知られています。
とりわけ堂の内外が金箔で装飾された金色堂は、奥州藤原氏の栄華を象徴する物として知られています。
中尊寺には、中尊寺本坊のほか17の子院があり、境内にある様々なお堂で御朱印をいただくことが出来
ます。
この記事では、月見坂と呼ばれる参道を登り金色堂に至る中尊寺の主だったお堂、そしてそこでいた
だける御朱印を紹介します。
中尊寺の概要
中尊寺は、岩手県平泉町にある天台宗東北大本山の寺院です。山号は関山、本尊は丈六の釈迦如来になります。
寺の由緒によりますと、創建は嘉祥三年(850)、慈覚大師円仁により開かれたといわれています。
その後、12世紀の初めに、奥州藤原氏初代藤原清衡が、前九年、後三年の役で亡くなった人々の霊を慰め、
また“みちのく”に仏の教えによる理想社会を築かんと大規模な伽藍の造営を行ったそうです。
弁慶堂
奥羽街道国道4号線から中尊寺に入る所には、源頼朝に追われ源義経と共に亡くなった弁慶の墓と伝わる場所があります。
そしてその先が中尊寺入口、ここから金色堂まで700メートルほど杉の木立が続く表参道、月見坂になります。
かなり急な登り坂、月見坂を200mほど行った左側にあるお堂が武蔵坊弁慶を祀る“弁慶堂”になります。
こちらでは「弁慶堂」の御朱印をいただくことが出来ます。
月見坂の途中には、北上川をはさんで束稲山(たばしね山)を見ることが出来る物見台があります。
近くには、秀衡公と親交があった西行が出家して、平泉に来た時に詠んだ歌の歌碑が建っています。
「ききもせず 束稲山の さくら花 よし野のほかに かかるべしとは」と束稲山の桜を詠んだものです。
「今まで聞いたこともなかった束稲山の桜、吉野山の他にこのような見事な所があろうとは」と
西行の驚き、束稲山の桜の見事さが伝わってきます。
地蔵堂
弁慶堂を過ぎ月見坂を進むと右手に地蔵菩薩を安置する地蔵堂があります。
地蔵堂でも、御朱印「地蔵尊」をいただくことができます。
また、地蔵堂の授与所のすぐ裏には、小さな道祖神を祀る御堂があり「道祖神」の御朱印をいただくことができます。
薬師堂
弁慶堂から先は緩やかな登り坂、200mほど行った左側にあるお堂が“薬師堂”です。
ここでは、「薬師堂」とお堂名が書かれた御朱印がいただけます。
本堂
薬師堂の先、右側にあるのが中尊寺の本尊、丈六釈迦如来坐像が安置されている本堂になります。
この像は、光背を含め5mにもなる大きな釈迦如来ですが、これは藤原清衡が皆金色の丈六釈迦如来像
を本尊として安置したことに倣い、平成二五年(2013)に、開眼法要が行われたものになります。
本尊の両脇の灯籠には、比叡山延暦寺、伝教大師最澄の時代から灯り続ける「不滅の法灯」が護持されています。
現在のお堂は、明治42年(1909)に再建されたものになります。
本堂でいただく御朱印には、本尊“釈迦如来”を表す梵字「バク」という一字がかかれていました。
峯薬師堂
本堂の先、右側にあるお堂は、子院である願成就院が所有する峯薬師堂になります。
中には“木造薬師如来坐像”が安置されています。特にこちらでは“目”のお守りをいただくことが出来ます。
こちらでいただいた御朱印には、「薬師如来」と書かれていました。
大日堂
峯薬師堂に並んであるお堂は本尊に“大日如来”を祀る“大日堂”です。
いただいた御朱印には「大日如来」と本尊名が書かれていました。
阿弥陀堂
大日堂から100mほどで、金色堂や讃衡蔵がある平坦な所に出ます。こちらの右手前にあるお堂は
“阿弥陀堂“になります。
こちらの本尊は”阿弥陀如来“そしてさらに”蔵王権現“と”大黒天“が安置されています。
いただいた御朱印には、「南無阿弥陀佛」と書かれていました。
讃衡蔵
讃衡蔵は、平成十二年(2000)に宝物館として建てられたもので、讃衡蔵という名称は
「藤原三代の偉業をたたえる宝蔵」と言うことを意味しているそうです。
讃衡蔵には、元本坊本尊の木造阿弥陀如来坐像 、峯薬師堂にあった木造薬師如来坐像 、
閼伽堂にあった木造薬師如来坐像 の3体の丈六像をはじめ、3,000点以上の国宝や重要
文化財が収蔵されていて、金色堂と一体となった拝観券で観賞することができます。
こちらでは、「丈六佛」と書かれた御朱印をいただくことが出来ます。
金色堂
讃衡蔵の先にあるのが金色堂です。
金色堂は、天治元年(1124)に建てられたもので、創建当初の姿を今に伝える中尊寺唯一の建物になります。
堂の内外に金箔が押され、「皆金色」の阿弥陀堂で、金色堂を風雨から守るために覆堂で覆われていています。
“金色堂”として写真に写っているのは、この“覆堂”になるわけです。
金色堂内部の須弥壇の上中央には本尊“阿弥陀如来”、そして向かって右に“観音菩薩”そして左に
“勢至菩薩”が並んでいます。
そして、須弥壇の内には、藤原清衡、基衡、秀衡藤原三代のミイラ化した遺体が安置されています。
また源頼朝により滅ぼされた泰衡の首級も納められています。
金色堂では、「金色堂」と書かれた見開きの御朱印をいただいてきました。
弁財天堂
金寺堂の前にある池で囲まれたお堂は“弁財天堂”です。
こちらでは「弁財天」の御朱印をいただくことが出来ます。
弁財天堂では、このほかに国宝の一切経を納めていた建物である「経蔵」名で、「千手観音」の
御朱印をいただくことが出来ます。
なお弁才天堂の先には、 奥の細道散策のおり当地を訪ねた松尾芭蕉の像が建っていました。
白山神社
弁財天堂の横から100mほど北へ進んだ所には、中尊寺の鎮守になる白山神社があります。
こちらには、国の重要文化財に指定されている能舞台があります。
現在の舞台は、嘉永六年(1853)に仙台藩によって再建されたもので、今でも毎年8月には薪能も
披露されているそうです。
いただいた御朱印には、「白山神社」とともに杉の木立に囲まれた「能楽殿」の印が押されていました。