東大寺 御朱印めぐり
東大寺は、奈良時代(8世紀)に聖武天皇が民衆を救済するために華厳宗の教えを基に大きな盧遮那仏を
造ることを考え、建立した華厳宗の大本山となる寺院です。
東大寺は、「奈良の大仏」として知られる盧遮那仏を本尊とし、開山は良弁僧上になります。
この大事業を推進するには幅広い民衆の支持が必要であったため、朝廷から弾圧されていた行基を大僧正
として迎え、協力を得て造り上げたことが知られています。
東大寺は、天平文化の象徴といってもよい寺で、世界最大の木造建築である大仏殿や、見事な彫像群が並
ぶ法華堂、伝統行事の「お水取り」の舞台である二月堂など見どころが満載です。
御朱印は大仏殿を始め主だったお堂でそれぞれいただくことが出来ます。
大仏殿
東大寺の入り口は、“南大門”になります。南大門の周りには、観光客がくれる鹿せんべいを目当てに、
多くの鹿が集まっています。
南大門は、大仏殿にふさわしく、わが国最大の山門です。門の左右には、運慶と湛慶の作である阿形、
吽形の金剛力士立像が安置されています。
南大門をくぐれば、正面に見えるのが、大仏殿になります。
創建当初の大仏殿は、二度の兵火で焼け落ち、現存する大仏殿は江戸時代に再建されたものだそうです。
大仏は台座と袖、脚などの一部に当初部分を残すのみで、体部の大部分は中世の作、頭部は江戸時代
の作だそうです。
いただいた御朱印には、大乗仏典の「華厳経」を思想のよりどころとする華厳宗の大本山として、
『華厳』と書かれています。
大仏殿では、この他に開基である「聖武天皇」の御朱印と「無心」の御朱印をいただくことが出来ます。
大鐘楼
大仏殿から出て、若草山方向に歩くとすぐに階段、その階段を上った高台にあるのが大鐘楼になります。
大鐘楼は、鎌倉時代初期に建てられたもので国宝に指定されています。
いただいた御朱印は、「大梵鐘」と書かれています。
俊乗堂
大鐘楼の手前にあるのが俊乗堂になります。
俊乗堂は、平安時代末期に戦禍で焼かれた東大寺の再興を成し遂げた重源上人の遺徳を讃えて江戸時代に
建立されたお堂で、堂内には国宝「重源上人坐像」が安置されています。
いただいた御朱印には、「重源上人」と書かれています。
念仏堂
大鐘楼の隣にあるのが念仏堂になります。
念仏堂も鎌倉時代の建築で、地蔵菩薩が安置されています。
こちらでは、『地蔵菩薩』の御朱印をいただくことが出来ます。
行基堂
念仏堂の横には大僧正として大仏建立に貢献した行基を祀る行基堂があります。
こちらでは、「行基菩薩」の御朱印をいただくことができます。
二月堂
念仏堂の前の道をさらに若草山方向に歩いていくと一段高い所にあるのが、二月堂や三月堂です。
二月堂(写真下)は、奈良市内を一望できる絶景ポイントの一つですので、忘れず参拝されるとよいと思います。
二月堂は、旧暦2月に有名な「お水取り(修二会)」が行われることからその名があります。
修二会は、われわれが日常に犯しているさまざまな過ちを、二月堂の本尊である十一面観世音菩薩(秘仏)
の宝前で、懺悔することを意味しています。
また「お水取り」とは、この行中に、若狭井という井戸から観音さまにお供えする「お香水(おこうずい)」
を汲み上げますが、その儀式のことを言います。
いただいた御朱印には、『南無観』と記されています。「観音様に帰依します」「観音様を真に信じます」
という意味合いになるかと思います。
法華堂 (三月堂)
東大寺建築のなかで最も古いものであり、国宝に指定されています。
寺伝では東大寺創建以前にあった金鍾寺の遺構だそうで、堂の中には不空羂索観音が本尊として祀られて
いるほか、執金剛神像や日光・月光菩薩像など国宝が並んでいます。
旧暦3月に法華会が行われるようになり、法華堂、また三月堂とよばれるようになったそうです。
いただいた御朱印には、法華堂を表す『法華』と書かれていました。
三昧堂 (四月堂)
三月堂の前にあるお堂は、三昧堂、俗に四月堂と呼ばれ、千手観音菩薩像を本尊としています。
いただいた御朱印には、本尊の『千手観音』が書かれていました。
不動堂
三月堂の先にある不動堂では、安置されている『五大明王』の御朱印をいただくことが出来ます。
いただいた御朱印には、「五大力尊」と書かれていました。
戒壇堂
戒壇堂は、大仏殿を挟んで反対の西側にあるお堂です。
戒壇堂は出家者が正規の僧となるための戒律を授かるための堂として、天平勝宝七年(755)に鑑真和上が
聖武上皇に招かれて創建されたものになるそうです。
現在の建物は、江戸時代に再建されたものになりますが、安置されている四天王像は、国宝に指定されています。
いただいた御朱印には、「国宝 四天王」と書かれていました。