えびす神は、七福神の一神で、その中で唯一日本古来の“福の神”として崇められている神様です。海にゆかりの深いえびす神は、漁業の神様であり、福徳を授ける神、商売繁盛の神様として信仰されています。
「えべっさん」などの愛称で親しまれ、夷、戎、胡、蛭子、恵比須、恵比寿、恵美須などと各神社で様々に表記されています。
日本に3,500ほどある“えびす神”を祀る神社の中で、“日本三大えびす”と言われる神社の御朱印めぐりを紹介します。
美保神社
美保神社は、島根半島の東端、松江市美保関に鎮座する神社です。
主祭神に大国主神の子である事代主神(コトシロヌシノカミ)と大国主神の后である
三穂津姫命を祀っています。
“事代主神”は、“えびす神”として商売繁盛の神徳のほか、漁業・海運の神として尊崇され、
美保神社は全国にある事代主神系えびす社の総本社として信仰を集めています。
創建は社の由緒に神代とありますが、8世紀に編纂された『出雲国風土記』の神社台帳に
記載されていて、古社であることは間違いありません。
本殿は大社作りの2棟を並立させた独特のもので“美保造り”と呼ばれていて、現在の本殿は
江戸時代中ごろに建てられたものだそうです。
えびす宮総本社 西宮神社 (兵庫県)
西宮神社は、兵庫県西宮市にある神社で、国内にある“えびす様”をお祀りしている“蛭児神系”
のえびす社の総本社になります。 主祭神は、「えびす大神」(蛭児大神)になります。
社の由緒によりますと、西宮のえびす様は、神戸・和田岬の沖より出現された御神像
(蛭児の神)を、西宮の漁師が発見、御神託により西宮にお祀りされたのが起源と伝
えられています。
この御神像は、伊邪那岐と伊邪那美の大神の間に生まれた子であったそうです。
この御子は不具の子であったと云われていて、伊邪那岐、伊邪那美の神は、吾が子を
あわれと思いつつも、葦船に入れて海へ流してしまわれたそうです。
そして、この葦船が和田岬に流れ着いたのだそうです。
表大門(写真下)は、安土桃山時代の慶長9年に再建されたものだそうです。
毎年1月10日から始まる“十日戎”は、800軒を越える屋台が軒を連ね、開催三日間で
百万人を超える参拝者で賑わうそうです。
京都ゑびす神社 (京都府)
京都ゑびす神社は、京都市東区、建仁寺の西隣にある神社です。
社の由緒によりますと、建仁2年(1202)に臨済宗の祖といわれる栄西禅師が建仁寺
の建立にあたり、その鎮守として最初に建てられた神社だそうです。
当社では、1月8日から12日までの5日間が“十日ゑびす”にあたり、多くの参拝客でにぎわいます。
えびす神社と言えば”鯛”、いただいた御朱印には、大きな鯛が踊っています。
今宮戎神社
今宮戎神社は、大阪市浪速区恵美須西一丁目にある神社で、大阪市民に商売繁盛の神様
「えべっさん」として親しまれています。
祭神に、天照皇大神や事代主神など5柱を祀っています。この中で“事代主神”が“えびす
”商売繁盛の神として、篤く信仰されています。
社の歴史によりますと、創建は推古天皇の御代で、聖徳太子が四天王寺を建立されたときに
西方の鎮護としてお祀りされたのが起源だそうです。
1月9・10・11日の三日間に行われる当社の祭礼“十日戎”は、毎年およそ100万人の参詣者があり、
大変な賑わいになるそうです。まさに商人の町、大阪と言った感じがします。
本殿(写真上)は、昭和31年に再建されたものだそうです。
「えべっさん」と言えば”鯛”、いただいた御朱印の右上には”鯛”の印が押されていました。