天満宮や天神社は、学問の神、天神様『菅原道真』を祭神とする神社のことを言います。
太宰府に左遷された道真が亡くなった後、平安京で雷が相次ぎ、落雷で政敵であった藤原氏の大納言、藤原清貴が亡くなったりしたことから、道真は雷の神である天神(火雷天神)と同一視されるようになったそうです。「天満」の名は、道真が死後に送られた神号の「天満大自在天神」から来たといわれています。
道真は優れた学者であったことから「学問の神様」と言われ、天満宮には、多くの受験生が合格祈願に訪れます。
太宰府に左遷されられることになった道真は、住み慣れた紅梅殿の梅を見て「東風(こち)吹かば 匂ひおこせよ 梅の花 主なしとて 春を忘るな」とうたったことは良く知られています。
東日本においては、亀戸天神、湯島天神と谷保天満宮の三神社が関東三大天神、または江戸三大天神と呼ばれているようです。
亀戸天神
亀戸駅から、北西へおよそ13分の町中にある神社です。
亀戸天神は、1662年、幕府の大事業である本所開発にあたり、天神様を崇敬していた
時の将軍家綱の土地寄進により、現在の地に設立されたそうです。
大宰府の社にならい、社殿、楼門、廻廊、心字池、太鼓橋などを営み、以来今日まで350年、
東国天満宮の宗社として崇拝されているということです。
境内は、梅と共に、見事な藤棚が心字池の周りを埋め尽くし、毎年5月の連休ごろは、藤祭りも開かれます。
秋の菊も見事だそうで、『花の天神さん』と言われ親しまれています。
東京スカイツリーが社殿の背後に控え、梅の季節や藤の季節は、ひと際、華
やかな天神さんを見ることができます。
湯島天満宮
地下鉄千代田線の湯島駅の3番出口を出て、春日通りを西へ上っていくことおよそ
2分で到着、湯島の高台にある天神さんです。
最寄りのお茶の水、水道橋界隈には、学校が多く、合格祈願に訪れる受験生が絶え
ないのがこの神社です。
写真は、ちょうど梅の花が匂う受験シーズン真っただ中の2月、受験生が合格祈願に
書いた絵馬が、満開の梅の木の下に所狭しと並んでいました。
谷保天満宮
南武線谷保駅から南へ徒歩3分ほどでほどなく到着、参拝した日は、ちょうど一月の
初天神の日、境内では、筆供養が行われていました。
筆供養とは、使い古した筆を持参し、お焚きあげし、上達を祈願する祭礼だそうです。
谷保天満宮は、京都の北野天満宮とほぼ同時期に造営されたそうで、東日本で最も古い
天神さんになります。
また谷保天満宮は、明治41年『自動車の宮様』と称された有栖川宮威仁親王殿下が、
自動車奨励のお志しに基づき企画されたわが国初の自動車遠乗会の目的地がこちらであり、
天満宮の梅林における食事会の席上、我が国初の自動車クラブなどが設立されたことなど
にちなみ、自動車文化発祥の聖地、”交通安全祈願発祥の地”として知られています。